AI Slash Pulseは、世界のAI潮流から実務に刺さる5本を厳選し、戦略と現場の「次の一手」を静かに照らします。
週末版では、日々のニュースを一歩引いた視点で捉え、今週AIがどこへ向かっていたのか──構図と兆しを浮かび上がらせます。
昨日(4月25日)の注目ニュース|その場で動いた5つの兆し
1. 日本、AI推進法案を衆議院で可決──技術革新とリスク管理の両立へ
https://www.japantimes.co.jp/news/2025/04/25/japan/politics/lower-house-ai-bill
AIを推進する一方で、リスクへの備えも制度化。
「技術開発」だけでなく、「社会実装」のルール作りに本格的に踏み出す姿勢が見えました。
2. Google、AI活用で広告収益を拡大──投資家の懸念を払拭
https://www.reuters.com/business/google-parent-alphabet-beats-quarterly-revenue-estimates-2025-04-24
「AIはコスト」から「AIは収益源」へ。
AI活用がビジネスモデルを裏支えする実例が、Googleの四半期決算から浮かび上がりました。
3. Adobe、FireflyアプリにOpenAIとGoogleのAIモデルを統合
https://www.reuters.com/business/adobe-adds-ai-models-openai-google-its-firefly-app-2025-04-24
独自モデルだけではない、“マルチAI連携”という新たな流れ。
ユーザー主導の多様なクリエイティブ支援が、次の競争軸になりつつあります。
4. 米国、AI教育推進の大統領令を発令──K-12教育にAIを統合
「未来のリーダーを育てるため、今AIを教える」──。
人材育成に本腰を入れる国の動きは、グローバルな競争地図を変える可能性を秘めています。
5. PLAUD.AI、日本法人設立と法人向けプランを発表──急成長するAI音声スタートアップ
https://saiganak.com/event/plaud-ai-media-conference-2025-report
音声認識AI市場に日本発で攻勢。
アプリ市場だけでなく、業務支援・DX推進ツールとしての広がりも期待されます。
今週の振り返り|構図を変えたニュース 3選
A. OpenAI、非営利委員会を設立──AI“制御”を未来の競争力に
https://openai.com/index/board-and-safety-updates
注目の背景:
AIが進化するだけではなく、「進化を制御できるか」が社会競争の本質になりつつある。
自己複製リスクや停止困難リスクまで評価に組み込む動きは、単なる倫理議論を超え、次世代企業戦略の中心に据わり始めました。この一手が、未来の軸を少しずらした。
「どれだけすごいか」ではなく、「どれだけ制御できるか」という視点が静かに浸透し始めています。
B. NVIDIA、米国内でAIスーパーコンピュータ製造本格化──「土台争い」が始まった
注目の背景:
AIクラウドの背後にある“土台”をどこに持つか──。
AI時代において、計算基盤の地政学リスクは、単なるコスト問題ではなく国家戦略問題になりました。
この一手が、未来の軸を少しずらした。
クラウドを超えて、「演算力をどこで作るか」が問われるフェーズに入っています。
C. Zhipu、GLMを完全オープン化──“借りるAI”から“育てるAI”
注目の背景:
中国発の大規模モデルが、MITライセンスでフルオープン。単なる“利用者”ではなく、“開発者”として関わる自由が広がる世界観が現実になりつつあります。この一手が、未来の軸を少しずらした。
閉じたAPI経済から、開かれた基盤技術経済へ──。
AIとの向き合い方そのものが、ゆっくりと書き換えられています。
編集後記|“走るAI”と“支える社会”の交差点で
今週のAIニュースには、「速さ」と「重さ」の二重構造が浮かび上がっていました。
性能は伸びる。しかし、制御や倫理、社会実装といった“重い設計”がなければ、それはただの暴走になってしまう。
走るAIの時代に、本当に必要なのは、支える社会の“地ならし”かもしれません。
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Pulse Weeklyは、変化の兆しと構図を1週間分まとめてお届けするAI Slashの週末版。
来週も、「今、何が静かに動いているか」をともに捉えていきましょう。
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